会計年度任用職員の志望動機の書き方2つのポイント
会計年度任用職員の志望動機を作成するうえで、押さえるべきポイントは
①自分を採用するメリットを伝える
②仕事に対する意欲や熱意を伝える
この2点です。以下、解説します。
①自分を採用するメリットを伝える
志望動機を考える上で意識すべきことは、受験先があなたを採用するメリットをうまく伝えるということです。
面接官が志望動機を聞くのは、次のような意図があります。
「受験先(市など)が、なぜあなたを採用しなければならないのか、説得力のある説明をしてください」
実は、面接官個人に採用者を決定する権限はありません。
面接官自身も、その上司に対し採用者を選んだ理由を説明し、了解を得なければならないからです。
つまり、あなたを会計年度任用職員として採用する理由を面接官に提供してあげれば良いのです。
そのためには、志望動機の中で、あなたを採用するメリットをうまく伝える必要があります。
②仕事に対する意欲や熱意を伝える
志望動機を考える上でもう一つ意識すべきことは、仕事に対する意欲や熱意をうまく伝えるということです。
採用側としては、同じスキルで同じタイプの受験者が複数人いた場合、最終的に採用したくなるのは、仕事に対する意欲や熱意がある方だからです。
ただし、「やる気があります」というだけでは、意欲や熱意が本物か見極めることができません。
志望動機の中で、仕事に対する意欲や熱意が見えるようアピールする必要があります。
以上の2つのポイントを踏まえて、志望動機を具体的にどのような構成、内容にすれば良いのか次に解説します。
会計年度任用職員の志望動機の構成
会計年度任用職員の志望動機は型にはめれば簡単に作れる
会計年度任用職員の志望動機は、次の構成を意識することで簡単につくれます。
① 募集業務に従事したいことを意思表明する
② 募集業務の方向性(事業の目標、目指す将来像等)への共感
③ 募集業務に関心を持ったきっかけ
(社会問題への関心、実体験に基づくエピソード等)
④ 募集業務で求められる人材・スキルの想定
⑤ 自分の強み(知識・経験・スキル)や人柄が、求められる人材・スキルに合致する
この構成で志望動機を組み立てると、先ほど解説した2つのポイント(①自分を採用するメリットを伝える、②仕事に対する意欲や熱意を伝える)の要素が自然と含まれる形となります。
また、論理的で一貫性のある説明ができるので、説得力が増し、面接官が納得・評価しやすくなります。
以下、順番に解説します。
会計年度任用職員の志望動機に書く内容は5つ
①募集業務に従事したいことを意思表明する
まず冒頭で、募集要項に記載された業務内容(以下「募集業務」)に従事したいことを意思表明します。
募集業務の内容がよくわからない方は、会計年度任用職員の募集要項を確認してください。
会計年度任用職員の場合、採用後の配属先と従事する業務が明記してありますので、募集要項に記載してあるレベルの業務内容を書きます。
②募集業務の方向性(事業の目標、目指す将来像等)への共感
次に、①で書いた募集業務について、その業務の方向性に共感することを伝えます。
ここで、「業務の方向性」とは、「業務(事業)で掲げられている目標」または「募集業務の担当部署が目指す将来像」のことを指します。
公務員が実施する施策や取り組みの背景には、目標や目指す将来像があります。
その目標や将来像について、あなたが共感し、職員としてそれを実現したいことを伝えればいいのです。
これにより、「組織の一員として、同じ目標に向かってモチベーション高く働いてくれる人」という印象を与えることができます。
では、どうやって募集されている業務の目標や組織の目指す将来像がわかるのかというと、以下の方法があります。
・さまざまな媒体で情報収集する。
自治体や受験先のホームページ
自治体が策定する総合計画、各部署が作成する個別計画
市町村長や知事のマニュフェスト
広報誌
・直接、電話・メールなどで、業務の担当部署に聞いてみる。
「たかが1年、長くて3年の任期しかないのに、そこまでしたくない」
「正職員でもないのに、志望動機が壮大すぎる」
とお思いかもしれません。
しかし、こうした具体的な行動をとることによって、意欲や熱意が伝わる志望動機となり、他の受験者と差別化でき、採用に近づくことになります。
③募集業務に関心をもったきっかけ
次に、②で調べた「募集業務の方向性(事業の目標や担当部署が目指す将来像など)」を踏まえて、募集業務に関心を持ったきっかけを書きます。
たとえば、
「募集業務の分野に関するニュースを見て関心を持ち、調べていくうちに問題意識を持つようになった」
「これまで自分自身が、〇〇といった経験をしたことで、募集業務の分野に関心を持つようになった」
などです。
ここでは、実体験や過去の経験・エピソードなどがあるとより説得力が増します。
そのような経験やエピソードが無い方は、募集分野に関するニュースやインターネットの情報などで調べてみてください。
情報収集したという行為自体を、後付けで「きっかけ」として整理すれば良いのです。
きっかけに正解はなく、受験者によって異なりますので、自由に書いてください。
④募集業務で求められる人材・スキルの想定
次に、募集業務で求められる人材・スキルを想定します。
これは、受験先の組織や募集業務、職種によってさまざまですので、想定するしかありませんが、難しく考える必要はありません。
たとえば、以下のようなことでも大丈夫です。
・事務職に求められるスキル
→ワードやエクセルを使ってレポート作成やデータ処理を行うスキル
・窓口業務に求められるスキル
→老若男女の幅広い年代の方に合わせて、臨機応変に対応するスキル
想定するだけでも十分ですが、求められる人材・スキルを知りたければ、受験先に直接聞けば良いです。
「〇〇の業務は、〇〇の作業が中心なので、〇〇といったスキルや経験をお持ちの方からの応募を期待している」
といった回答があれば、それが募集業務に求められる具体的なスキル・経験です。
また、少し脱線しますが、そのように受験先に問い合わせをしてニーズを把握しようとする行動自体が、意欲や熱意のある方という印象につながります。
⑤自分の強み(知識・経験・スキル)や人柄が求められる人材・スキルに合致
次に、自分のもつ知識や経験、スキルが、④で想定した募集業務で求められる人材やスキルと合致していることを説明します。
先ほどの例でいえば、
・事務職に求められるスキル:
基本的なパソコン操作、ワードやエクセルを使って書類作成を行うスキル
⇒前職で、ワードやエクセルを使ってレポート作成やデータ処理の経験がある
(人材・スキルの合致)
・窓口業務に求められるスキル:
老若男女の幅広い年代の方に合わせて、臨機応変に対応するスキル
⇒前職が接客業で、お客様のニーズに合わせて柔軟な対応を行い、感謝された経験がある
(人材・スキルの合致)
といった感じです。
最後に、自分の知識・経験・スキルを役立てることで、募集業務に貢献したいと締めくくって完成です。
この流れで構成することにより、職場で活躍できることを論理的に説明することができるので、面接官はあなたを採用するメリットを感じます。
会計年度任用職員の志望動機に使える例文(事務職)
準備中です
会計年度任用職員の志望動機を書く際の注意点
志望動機はきっちり書いても空回りしない
志望動機を考える際に、「会計年度任用職員は正職員の補助でしかないから、大げさな志望動機を書くと空回りして、かえって不採択になるのでは?」と心配になるでしょう。
これまでの記事を読んでいただいた方はお分かりかと思いますが、空回りしませんし、面接の採点では有利にはたらきます。
それでも空回りしないか心配な方は、提出する申込書や履歴書については、志望動機をきっちり作った上で、面接当日は、面接官の雰囲気や印象を観察し、また面接の流れや質問の真意を見極めながら、志望動機をどの程度伝えるべきか判断し、加減すれば良いでしょう。
間違いなく言えるのは、現場で働いている職員としては、志望度が高く、少しでも優秀な方に入庁してもらい共に働いてほしいと切実に思っています。
面接官から、「そこまで志望動機が明確であるならば、正職員として就職されませんか?」と質問されたら、「会計年度任用職員の募集を知ったときは、正職員の募集は終了していた。機会があれば正職員にも募集したい」「試験勉強の十分な時間が確保できず正職員は断念したが、会計年度任用職員として募集業務に従事したい」などの前向きな回答をしましょう。
あくまで会計年度任用職員として採用されることが目的です。
応募時点で正職員が選択肢になかったとしても、正職員を志望するかどうかは、採用後に改めてじっくり検討すれば良いのです。
福利厚生などの本音を語るのはNG
会計年度任用職員の志望動機として、「福利厚生が充実していてホワイトな職場で働きたい」などの理由が少なからずあるのが本音だと思いますが、それを志望動機に盛り込むことは控えるべきです。
面接官も、受験者の志望動機として、そういった本音があることは重々承知しています。
志望動機の一部に、福利厚生などがあったとしても、その動機は採用者を選考する上で加点要素にはなりませんし、他の受験者との差別化にもなりませんので、正直に伝えないよう注意してください。
これまでの解説を基に、あなたならではの志望動機の作成に挑戦してみてください。